ビジネスモデル研究会について
今年度から始まった「STC3 ビジネスモデル研究会」は、世の中で注目されている特徴のある企業のビジネスモデルと財務を分析し、その価値創造について議論・勉強するものです。
今回のビジネスモデル研究会は、(株)帝国データバンクと(公財)京都高度技術研究所の主催で行われました。
研究対象企業は、帝国データバンクからご推薦いただいた京都の優良企業(非上場)です。
第1回BM研究会「ウェザーニューズ」のビジネスモデルキャンバスはこちら
第2回BM研究会「弁護士ドットコム」のビジネスモデルキャンバスはこちら
対象企業:「JPC」
今回の研究対象は、広告を最速で制作する。ワンストッププロモーションの「株式会社JPC」です。
一般に、広告宣伝業においては、受注後の制作は下請けや外注にだすことが多い業界。
一方、(株)JPCは、社内で幅広い制作が完結できるような体制を整えているため、WEB制作、パンフレット、パッケージ、動画といった制作全般が可能となっています。また、独自のアクセス解析システムによって、広告の費用対効果を計測することができ、クライアント企業に最適な企画・提案ができるようになっています。
ビジネスモデル研究会の流れ
[1] 帝国データバンクより企業情報のご紹介
まず初めに、帝国データバンクにおける「評点」などの指標や評価方法について解説いただきました。評点とは、企業を評価している点数で、100点満点となっています。企業が健全な経営活動を行っているか、支払能力があるか、安全な取引ができるかを第三者機関として評価したものです。
(株)JPCにおいては平均的な評点よりも高く、非常に良好な経営状態であることが示されました。
[2] (株)JPC代表の山本さまより企業の特徴をご紹介
つぎに、(株)JPC代表の山本様より、企業の特徴をご紹介いただきました。JPCは、『宣伝・広告に関する販売促進ツール等の制作会社として京都で設立。広告制作はもちろん、マーケティングに基づいた広告戦略を提案することで多くのクライアントさまとともに成長を遂げ、現在では、宣伝広告物の制作を中心に、Webサイトや動画コンテンツの作成、空間プロデュースなど、多岐に渡る事業展開を行っている』とのことです。
山本さまが社長に就任されてからは、リーマンショックや東日本大震災といった時代の大きな変化があり、大手取引先からの受注が減少したとのことで、「中小企業が黒字を維持するために重要なことは、数社の大手取引先からの受注に頼るのではなく、複数の企業と安定した取引を行うこと。また、時代の変化をとらえ、準備を怠らず先手を打つ必要がある」とおっしゃられていました。山本社長の先見と意思決定により、(株)JPCは次のように事業展開をされています。
もともとグラフィック(紙媒体)の広告制作から、WEB制作事業への展開、動画広告用の制作事業への展開に加え、近年はCG(コンピュータ・グラフィック)による制作事業へとすばやく展開。また幅広いメディアに対応する「1データ・マルチユース※」によって、自社とクライアント企業のコストを下げる努力をされています。また自社独自のウェブアクセス解析システム(BB-Analytics)を開発し、自社およびクライアント企業の広告費用対効果を高めることを行っています。
※1データ・マルチユースとは、1つの元データ(基礎的なデザイン)を、さまざまな方法・さまざまなメディアに使う(マルチユース)ということ。
(株)JPCでは、1つの基礎デザインを元に、例えば、ポスター、電車の中吊りチラシ、ウェブサイト、動画、SNSなどに展開する。1データ・マルチユースのメリットは、ブランドの一貫性を保つこと、クライアント企業の作業時間や費用などのコストを抑えることなどがあるとのことです。
[3] ビジネスモデルキャンバスを描く
(株)JPCの企業の優良性と、事業の特長をお聞きし、参加者同士で議論を行いながら、(株)JPCの「特長」をとらえ、「強み」を表現できるようなビジネスモデルキャンバスを描くことを目指しました。また、不明な点については、随時、山本社長に直接お伺いすることで、活発な意見のやり取りができました。
山本社長、この度はご足労いただき、本当にありがとうございました!
JPCのBMC
こちらが当日作成したビジネスモデルキャンバスです。当日研究会に引き続き、下記のコメント欄でも自由にご意見をくださいませ。
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