創業計画書×ビジネスモデルキャンバスの講座で得られるのはビジネスセンス!
5月22日、政策金融公庫(こっきんさん)とstc3のコラボセミナー「儲ける仕組みを洗練させる講座」を実施しました。
創業計画書とビジネスモデルキャンバスは相性バツグンの思考ツール!です。今回は講座でお伝えしたポイントや学びを報告いたします。
(文章:stc3クリエイティブコーディネータ 亀田真司)
創業計画書は、日本政策金融公庫さんから融資を受ける際に記述するものです。
ビジネスモデルキャンバスは、価値創造の方法や、顧客からどうやって収益を生むのかを考察・分析するためのツールです。
講座の内容
今回の講座は、政策金融公庫の金子先生と、わたくし亀田がつとめさせていただきました。
(1) ビジネスモデルキャンバスと創業計画書の関連性を理解する
まず前半は、「ビジネスモデルキャンバスと創業計画書の関連性を理解する」ということで、亀田よりビジネスモデルキャンバスの9つのブロックと、創業計画書の各パートの関連性をお伝えしました。
・ビジネスモデルとビジネスプランのメリット/デメリット
・ビジネスモデルキャンバスと創業計画書のメリット/デメリット
をお話しすることで、
なぜ何のために書くのか?
また、使いどころのポイントをお伝えしました。
(2) 創業計画書の書き方を知り、計画書をブラッシュアップする
後半は、金子先生より「創業計画書の書き方を知り、計画書をブラッシュアップする」方法を、各項目ごとのポイントを絞って講義いただきました。
少人数での講義でしたので、金子先生より「インタラクティブな講義にしましょう!」
というご提案をいただき、受講生の活発な質問に受け答えしながら進めていただきました。
受講生の質問にお答えする中で、「融資を受けた方が良いタイミング」といったことなども、話題に上がり、ワークショップのように盛り上がりました。
一度は書いたことがある?創業計画書。
stc3会員の方ならご存知かもしれませんが、stc3の入会時に記述する「事業計画書」は、国金さんの「創業計画書」とほぼ同じものです。(国金さんに許可を得て利用しています。)つまり、stc3会員であれば、一度は書いたことがあるものになります。
ビジネスモデルキャンバスと創業計画書の共通点
創業計画書のとてもユニークところは1枚のA3用紙に書くという点です。
創業計画書を書いたことがある人は、
一度は不思議に思ったことがあるかもしれません。
・『事業の計画をたった1枚に書ききれるわけないじゃないか?!』
・『この記入欄、ちょっとスペースが小さすぎるんじゃないの??』
と。。。
ビジネスモデルキャンバスも1枚のシートに書き出します。
ここに、2つの共通点があります。
実はこの共通点
・1枚のシートに書くこと
・スペースが小さい
には、深い理由があるんです!
【共通点その①】1枚のシートに書く理由
これはズバリ。事業の全体像を俯瞰して捉えるため。です。
例えば、「創業者の経歴」と「売上予測」という2つの事柄は
一見、無関係のように感じてしまう(?)かもしれません。
ところが、1枚の用紙に書いて俯瞰することで、
こんな見方ができるのです↓↓↓
「今までの経歴を活かした人脈・ルートで仕入れ先・取引先を選択し、
競争優位な価格を維持することで、信憑性が高い売上予測になっている」
逆にいうと、今までの経歴とは全く無関係な仕事なので、
「本当にこんな売上になるの?」とツッコミを入れやすくもなります。
突っ込まれたら、それをカバーする根拠を(捏造するのではなく)、
販路開拓の方法や、製品開発の方法など、他の要素で示す。
といった方法も考えられますし、
突っ込まれないように、事業計画の弱い部分を練り直しする。
ということも可能になってきます。
【共通点その②】スペースが小さい
これもズバリ。必要な要素を簡潔な言葉で書く。ためです。
創業者が、創業の想いや情熱を延々と語る。これ、
語る内容が無いよりも、とても良いことではあるのです!!
しかし一方で、簡潔にまとまっていない。
自分自身が十分に理解していない。とも言えるかと。
※誰かに話をすることで、頭が整理されると思いますので、語ることはとてもとても重要です!
でも「説明を求められているとき」は簡潔さ、明快さは重要ですよね。
実はそういった理由があり、書くスペースが小さいんですね。
例えば、創業計画書の「製品・サービスのセールスポイント」は、
たったの3行です(汗)
『こんなとこに書けるかい!!』ではなく…
これは、ビジネスモデルキャンバスなどで言われれている「エレベーターピッチ」だと思ってみてください。
エレベーターピッチとは、エレベーターに乗り合わせた
投資家に15秒〜30秒以内でセールスポイントを説明するというもの。企業研修や面接などでも重視されています。
【補足】融資の流れ
融資の流れを簡単に説明しますと、創業計画書を記入して、日本政策金融公庫さんの窓口で「創業計画書を見せながら直接の面談」となります。
書類審査ではありませんので、口頭や追加資料などで事業内容を補足説明することができます。そのため、用紙には安心して簡潔に書いて、別途、充分な説明を用意しておくことができます。
本講座の醍醐味と次回予告です!
本講座の醍醐味は、
(1) 政策金融機関公庫の方が講師として、講義を行いますので、
創業計画書の全体像や融資の流れを素早く把握できる。
(2) 創業計画書を書く目的は、「お金を借りるため」だけではなく、
「金融機関も信用できるような、しっかりとした事業計画書を書くこと」で、自社の方向性を明確にできる。
(3) 論理的な創業計画書(左脳的!)と、発想的なビジネスモデルキャンバス(右脳的!)の両方の良いとこどりをして、儲ける仕組みを洗練させることができる。
私個人は、創業計画書とビジネスモデルキャンバスは相性バツグンの思考ツール!だと思っております。思考と行動の両輪で、ビジネスを成功に導き、お客様も幸せに、取引先も幸せに、自分自身(自社・家族)も幸せにする。そんなワクワクが思考ツールを使うと加速すると思います。
ぜひ、創業者の方はチャレンジしてみてください。
そしてすでに創業している方も一度書いて終わりではなく、事業計画のアップデートをするつもりでご参加いただければと思います。
次回予告
次回の「事業計画を洗練させる講座」は、
6/26(金) 18:00〜20:30です。
参加費無料となっておりますので、
事前予約申し込みの上、ご参加くださいませ。
追伸:【融資のメリット】
創業融資とは、単純な話でいうと、
創業準備金(自己資金)の不足分を補うために利用されます。
創業者のなかには、
「起業する時に、お金を借りるなんてカッコ悪い」とか
「返せるかどうかわからないのに借りられない」と
思っている方もいるかもしれません。
ところが、融資はお金を借りること以外のメリットもあります。
特に「日本政策金融公庫さんから融資を受けることができた」ということは、
社会的に一定の評価を得ることができると言われています。
例えば、取引先が自社よりも大きな規模だった場合、
相手方は「創業したばかりのこの会社に任せて大丈夫かいな?」と
少なからず思っているはず。
創業したばかりの会社は、長く続けている会社よりも
信用度が低いと言えるかと思います。
そんな時、創業者の過去の経歴や実績があれば、
相手も納得・安心するかもしれませんが、
それに加えて、政策金融公庫さんから融資を受けていれば、
「融資を受けることができるような(金融機関から信用されるような)事業計画書を持っている企業」と
評価され、取引先などの信頼を得ることにつながります。
※もちろん、絶対、信頼されるということではないですが…
以上、亀田がお送り致しました。
長文お読みいただきありがとうございます。