ビジネスモデル研究会について
今年度から始まった「STC3 ビジネスモデル研究会」は、世の中で注目されている特徴のある企業のビジネスモデルと財務を分析し、その価値創造について議論・勉強するものです。
第一回BM研究会「ウェザーニューズ」のビジネスモデルキャンバスはこちら
テーマ:「弁護士ドットコム」
今回の研究対象、上場企業「弁護士ドットコム」は、一般ユーザーと弁護士をつなぐプラットフォーム・ビジネスモデルです。
一般ユーザーは、オンライン上で弁護士に無料相談することができ、弁護士から直接回答が得られます。弁護士は、無料・有料で登録することで、マーケティング支援を受けることができます。
売上高11億円超えのプラットフォーム「弁護士ドットコム」を紐解くため、「財務分析」と「ビジネスモデル」を分析議論し、未来像についても語り合いました。
ビジネスモデル研究会の流れ
[1] 財務の特徴を分析する
今回は、弁護士ドットコムのWEBサイト上で得られる有価証券報告書(IRライブラリ)をベースに財務分析をしました。
一般的な広告業の経営指標(中小企業庁H25年中小企業実態基本調査(速報)より)と比較すると、財務の顕著な特徴は、2点。
(1) 全体に利益率が高い
売上高対総利益率(粗利益率)は89.41%(指標は21.38%)と高く、売上高対営業利益率・売上高対経常利益率・売上高対当期純利益率も16%以上となっていました。
(2) 販管費率、従業員一人当たり年間売上高が高い
売上高対販売管理費率62.94%(指標19.10%)となっており、内訳は人件費47%、広告費19%です。また、従業員一人当たり年間売上高が18,738千円(指標37,501千円)と指標より低くなっています。このことから、現在投資フェーズでありさらなる収益アップも考えられます。
[2] ビジネスモデルキャンバスを描く
弁護士ドットコムのビジネスモデルキャンバスを、上場前の黒字化ができていなかった時期を「初期」とし、上場後の収益が伸びている時期を「上場フェーズ」として、下記に掲載しました。
[3] 比較検討および議論
プラットフォームビジネスモデルの成立させる重要な要件の1つは、「ユーザー」が積極的にコンテンツを充実させること。そして、プラットフォームを維持するためには「圧倒的なユーザー数」を参入障壁とすることが必要です。(他にも必要なことは多々あるかと思いますが・・・)
弁護士ドットコムは、異なる2つの顧客セグメント「一般ユーザー」と「弁護士」の双方のニーズを満たし、Q&Aによってコンテンツの充実がなされていますので、さらなるユーザー数の獲得に重点を置いていると考えられます。
弁護士ドットコムのBMC
こちらが当日作成したビジネスモデルキャンバスです。当日研究会に引き続き、下記のコメント欄でも自由にご意見をくださいませ。
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