ビジネスモデル研究会・ハイデイ日高のビジネスモデルを分析!

劇的な成長を続けるラーメン屋「熱烈中華食堂 日高屋」。
低価格ラーメンを武器に、どのような戦略があるのか。
ビジネスモデルキャンバスでハイデイ日高の日高屋を分析!

メニューと店舗の特徴

メニューの特徴

日高屋のメニューは、他中華屋と比べると非常にコンパクトです。
メニューを絞ることで規模の経済が生まれます。

また、同じ食材で、別のメニューを作っており、
いわゆる「食材の効率的な使い方」も特徴的。
*食材の効率的に使い、メニューにバリエーションをつける方法は、
コメダ珈琲でも行われている方法です。

店舗の特徴

日高屋は、関東地方に300店舗以上を展開し、
主な立地場所は、駅前、駅近です。
店舗展開の戦略として、マクドナルドや吉野家の近くに
新規店舗を作ることがネットの記事などでも語られています。

また参加者の生の声により、下記のような店舗の特徴が見えてきました。

・吉祥寺は、小さい店
・夜の10時前に並んでいた
・周辺にコンビニがなく、たこ焼き屋ぐらいしかない
・高回転している
・吉祥寺は飲屋の数が日本一?
・日高屋の横にマクドナルドあり(マクドナルドも客が並んでいた)
・夜行くところがない?
・ビジネスホテル宿泊なので、持ち帰りがあるのが○

セントラルキッチンと物流

関八州のど真ん中のセントラルキッチン

20世紀の全盛を迎えたセントラルキッチン方式が
日高屋の高パフォーマンスを生み出している点に注目しました。

セントラルキッチンのある行田市は、埼玉県北部にある人口約8万2000人。
交通の便が良く、八王子、練馬、新宿へのアクセスも良いことが挙げられます。

セントラルキッチン(行田市)は、産地と消費地の中継地点に位置し、
上(埼玉群馬)で仕入れて、下(都内など)で消費するという
構図が見えてきます。

また、日高屋の公式HPには、
「野菜を仕入れて、セントラルキッチンで一次加工した食材をその日のうちに発送する」といった
記載があり、このような高回転ができる理由としては、
次の2点が挙げられました。

(1) 仕入れ、調理、発送の一体化したノウハウ
(2) 需要予測が適正

仕入れ、調理、発送の一体化したノウハウがあり、
一般的な小型・個人店舗といった料理屋と比較すると、
物流が一体ゆえに、合理化が図りやすくなっていること。

また、単に生産の合理化ができたとしても、
需要とのバランスが最適でなければ意味がありません。
そのため、おそらく日高屋では、適切な需要予測ができるシステムが
導入されているのでは?といった意見がありました。

このような体制によって、
新規店舗を増やしても、追加コストを少なく回せる可能性があると考えられ、
素早い店舗展開を可能としたのではとの意見がありました。

その他の推測

今回の研究会では、有価証券報告書と財務諸表を参考にしており、
以下のような推測や意見がありました。

農家にもメリットが多いのでは…
・加工や梱包などの手間賃が低い可能性あり
・畑ごと買取などの可能性あり(安心して生産できる)

セントラルキッチンの生産性を高める方法として…
・セントラルキッチンは、一定量、一定稼働をさせているのでは?
 *ラインを止めずに稼働し続けた方が待ち時間分や起動時間などの無駄な時間を省ける
・セントラルキッチンでなんでもやるのではなく店舗にバッファ機能があるのでは。
 *例えば、店舗にストックヤードがあり、需要予測の変動があってもセントラルキッチンから送られてくる食材をストックできる

顧客目線での評価は?

顧客目線での日高屋の評価はどのようなものか、
実際に店舗で食事をしたことがある参加者からの意見を集めました。

・敷居の低さ(気軽にいける、一人でも入れる)
・圧倒的コストパフォーマンス(食事にも使えるが、シメの一杯にも使える)
・「おいしい」「おいしくない」ではなく、「それなりにおいしい」(飽きがこないので、頻繁に使える)
・東銀座店は、夜になると周りに店がない。他の店は日曜は閉まってる。
・消極的な選択肢に残る
 「なんかくいたい」「酒、のんでもいいな」というときに、とりあえず飲むときにあそこで良いかと。
・「値段を安くするのが最大の広告だ」(立地が少々悪くても…) by サイゼリア

「値段を安くするのが最大の広告だ」+「すんごい良い立地」by ハイデイ日高 なのでは?
・味は、ラーメン屋天下一品の対局かも。やみつきにはならない。
・この値段帯をみると王将が高く見える
・誰もが安く見える価格。サイゼリアも、毎回「安いなぁ」と思う
・酒飲むと、余計に安く感じる
・ちょい飲み1,000円で満足を変える

その他の議論

ビジネスモデルの議論で、キーリソースに「創業者」を入れると、
「モデル」として、他の業態や業種に転用したりしづらくなる言われるが、
創業者の持っている「何か」があるからこそ、その企業が成功するのでは?
その「何か」がなく、ビジネスモデルだけで成功するわけではないはず。

といった意見がありました。

当日作成したビジネスモデルキャンバス

自由闊達で建設的な議論を進めていきたいと思いますので
ぜひ、コメント欄よりご意見をください。