百貨店で、つき立てのごまを提供し、
行列ができる「胡麻」専門の会社、株式会社わだまんサイエンス。
「たて・だけ」をモットーに
お客様を愛し、お客様に愛されるビジネスは
どのような仕組みで成長を続けているのか。
「胡麻で世界を変える!」と掲げる株式会社わだまんサイエンスの
深堀勝謙社長にお越しいただき、
胡麻による世界平和と、会社の強みを語っていただきました。
(写真:深堀勝謙社長による講演の様子)
深堀社長、情熱的なご講演をいただきありがとうございました!
「愛」と「ご縁」がビジネスモデルを支える
深堀社長のお話の冒頭に、「ご縁を大切にしてきた」といったエピソードがあり、
お客様、従業員やスタッフ、胡麻生産国の農家の方々、百貨店といった
ビジネスに関わる方々(いわゆるステークスホルダー)との深い交流について
熱く語っていただきました。
また百貨店での胡麻の実演販売には、遠くは海外からもファンが訪れ、
行列に並ぶお客さまは、決してイライラせず、笑顔でお買い求めになる。
そんな会社作りに成功したのは「ご縁と愛」だといいます。
(写真左 深堀社長、中 スタッフの方、右 実演販売の様子:株)わだまんサイエンスHPより引用)
深堀社長いわく
『常にご縁を大切にし、店頭では演歌歌手のようにお客様に喜んでもらうことを考えている。
胡麻購入を楽しんでもらうのではなく、お出かけ全体を楽しんでもらいたい。』
と語られていました。
下記は、深堀社長の密度の濃い現場仕込みのお話から、
ビジネスモデルキャンバスに落とし込んだ今回の議論の流れをご紹介します。
当日作成したビジネスモデル
講座当日に作成したビジネスモデルキャンバスはこちらです。
議論や意見が盛り上がり、時間切れとなったため、ビジネスモデルキャンバスはまだまだ完成していません。
ぜひ、下記のコメントフォームより追加の考察や議論、疑問点などをあげていただきますよう宜しくお願い致します。
制作・分析の流れ
(1) 顧客セグメントから分析
店舗やイベントでご購入されるお客様の多くは50代以上の女性。
美容や健康に関心が高い世代でもあり、「つき立てで香り豊かな胡麻」は、毎日の料理に欠かせない食材・調味料の1つです。
社長からは「特に50代以上の女性のお客様は目利きです。良いものを知っているので、ちゃんとしたものをちゃんとご提供することで、自然と口コミをしてくれます。」といったお話がありました。
お友達を連れ立って、お買い物を楽しまれるのも女性ならでは。
そこで、顧客セグメントに「50代以上の女性」と一旦限定しました。
またチャネルにはお客様と対面する「百貨店」(物理的接点)、新しいお客様を連れて来てくれる「常連さん・ファン」としました。
*編集後記:「店内に広がるつき立て胡麻の香り」もチャネルの1つかもしれません。
(2) 価値提案から分析
女性のお客様が購入体験を喜んでもらうことで、自然と口コミが生まれ、お友達を連れてきてくれる。
では、なぜそんなにもお客様を満足させることができるのでしょうか?
その理由が価値提案に入ります。
まず挙げられるのは、社長が掲げる「愛」というキーワード。それから取り扱っている商品、胡麻の品質です。購入経験のある参加者からは「圧倒的に美味しく香りが豊か」「ここの胡麻を使うと食材まで美味しくなる」といった感想がありました。
そこで、価値提案には「愛」と「つき立てあなただけの美味しいゴマ」としました。
また、胡麻を提供する際に、独自の所作(しょさ)を作り上げ、質の高い接客・提供方法を確立し、お客様一人一人に心を込めて手渡しするそうです。
そこで、主要な資源には、「独自の所作/ノウハウ」としました。
*所作/ノウハウは、それ自体が価値ではなく、それを使って生み出す「モノコト」が価値であると考えて、それぞれを配置しました。
(3) 価値提案から分析
深堀社長の講演では、大切なことは「愛」であるとおっしゃっている通り、
・お客様への愛
・胡麻への愛
・従業員、スタッフへの愛
を感じるエピソードを聞くことができました。
そのため、はじめは価値提案に「愛」を置きましたが、
参加者からは「愛というと抽象的なので<特別感>と言い表した方が良い」といったことや
「あなただけのため」といった顧客目線でも分かりやすい言葉が良いなど
様々に議論があり「愛/特別感 あなただけのため」とすることにしました。
また、これらの価値提案を支える重要な主要資源として、
「一般社団法人日本胡麻協会」
「顧客に喜んでもらうことがモチベーションになる従業員」
を置きました。
(4) 主要活動から分析
「お客様の不足・不を探して解消する」というスタンス。これは主要活動に当たるが、顧客との関係にも当てはまるため、両方においています。議論の余地があります。
また、「最高のゴマを仕入れ、最高のゴマをつくる」ことは欠かせない活動であり、
「契約店舗へのアドバイス」も重要な活動であるため記載しています。
(5) 全体を整える
最後に、全体を見渡すことで、過不足がないか検討しました。
またそれぞれのマスに書いた項目が、別のマスに書いた項目との関連性を見て、
全体として整っているかを確認しました。
*契約店舗へのアドバイスは、収益の流れにも大きく関わってきます。しかし、契約店舗に関する項目が、ビジネスモデル全体にどのように好循環を生み出しているのか?といったところまで議論を深める時間がありませんでした。
自由闊達で建設的な議論を進めていきたいと思いますので
ぜひ、コメント欄よりご意見をください。